前田裕二『メモの魔力』一行のメモが一生を変える

SHOWROOM株式会社代表取締役社長の前田裕二さんの著書『メモの魔力』を読みました。
本書は以下のような方におすすめできます。
- しっかりと「自分の軸」を持ちたい
- 自分の発言力・発信力を高めたい
- 実現したい夢がある
僕はこれまで、ライフログとしてEvernoteなどのデジタルツールを活用してメモをしてきていますが、あくまでも記録のためのメモでした。
しかし前田さんのいうメモとは、新しいアイデアや付加価値を生み出す、「人間にしかできないこと」をやるためのものです。
『メモの魔力』を読んだことで、これまで記録でしかやっていなかったメモから、知的生産をするためのメモに変えたいと強く思いました。
それでは、前田祐二『メモの魔力』を紹介します。
メモによって鍛えられるスキル
1. 知的生産性の向上
メモをとることで余分な情報をストックし、自分の頭を有益な情報を生み出すことに使えるために知的生産性が増します。
2. 情報獲得伝導率向上
メモをとる習慣が身につくと、自分にとって有益な情報を素通りせずにキャッチすることができます。
3. 傾聴能力の向上
話をしている相手の前でメモをとることで、「話をちゃんと聞いてもらっている」と相手が感じ、より深い話を聞けることにつながります。
4. 構造化能力の向上
メモをとることで、その場でおこなわれている話をうまく構造化できるようになります。はじめはうまくメモをとれなくても、段々と構造化ができるようになってきて上手にメモがとれるようになります。
5. 言語化能力の向上
メモをとるためには、頭の中で考えていることを「言葉にして」アウトプットすることが必要になります。生活の中で「すごい」「やばい」と言うことがあると思います。メモをとることで、それの何がすごくて、やばいのかを踏み込んで考えることができます。
メモを習慣化するためにお気に入りの道具をそろえる
メモを「習慣」にするために、まずはそのための道具(ノートやボールペン)を書いましょう。
ここで大事なことは、持っているだけで自分のテンションが上がるようなものを選ぶことです。
前田さんはモレスキンのハードカバーノートと4色ボールペンを使っているようです。ノートは自分の好みで構わないと思いますが、前田流メモ術を実践するには、4色ボールペンは必須です!
ノートの使い方
ノートは原則「見開き」で使いますが、その理由が3つあります。
1.広くスペースをとる
書き込むスペースが狭いと思考が窮屈になってしまうそうです。「そんなにメモしないし…」と考えずに広いスペースを確保しましょう。
2.脳の構造に沿う
脳には「左脳」と「右脳」がありますが、脳の構造のように、見開きの左側に左脳的な「事実」、右側に右脳的な「発想」、と書く場所を分けることで脳のポテンシャルが最大限に引き出せます。
3.見開きで使うと「まず右側が空く」
見開きでメモを書き始めると、まずは右側のスペースが空いてしまいます。人の脳は空いているスペースを見ると「埋めなくては」という意識を持つため、思考がどんどん活性化されています。
4色ボールペンによる「色分け」
前田さんはメモをする際には4色ボールペンを活用しています。その色分けのポイントは下記のとおりです。
黒色 | ふだん使いの色。ファクトを書きます |
---|---|
緑色 | ファクトに対して自分が思ったこと、主観的な発想 |
青色 | やや重要なこと・引用、参照 |
赤色 | 最重要なこと |
自分の考え・主観は緑色、客観的なことは緑色以外の色になっています。主観と客観を色分けしておくことで、あとでメモをふりかえりやすくなります。主観を書き込む癖をつけると、自分の意見を構築・発信する力が増してくるそうです。
メモのポイント
- 実際におこった出来事(ファクト)をメモ(記録)する
- メモしたファクトを一般的にはどういうことなのかと「抽象化」する
- 抽象化したメモを、自分自身の行動に「転用」する
僕たちがふだん「メモ」と言っているのは記録するだけで、そのメモを活用して「抽象化」「転用」するまでには至っていないのではないのでしょうか。メモを抽象化、転用させるのが前田さんのメモ術の最大のポイントです。
メモの本質は「ノウハウ」ではなく「姿勢」
本書では前田流メモ術について色々と書かれていますが、メモをとる上で大切なことは「とにかく書くこと」です。
「前田さんのようにメモなんて取れないよ…」と嘆くのではなく、好きな道具(ペンとノート)をそろえて、ひたすらメモをとるということを始めてみようと言っています。
本書に書かれているメモ術を実践するのは、たしかにハードルが高いなと感じました。そのハードルを下げるためにも、僕もまずは手を動かして「とにかく書くこと」を始めようと思います。
『メモの魔力』まとめ
『メモの魔力』を読んで感じたポイントをあらためてまとめてみました。
本書の巻末には「自分を知るための1000の質問」が用意されています。徹底的に自己分析をして、ぶれることのない「自分の軸」をしっかり持つことがこれからの人生の方向性(人生のコンパス)を持つことになります。
内容はとても読みやすくまとめられていますので、いまの自分を少しでも変えてみたいと思う人は、ぜひ『メモの魔力』を読んでみてはいかがでしょうか。