星野源『そして生活はつづく』イメージとは違うダメ人間ぶりに笑わされてしまうエッセイ

ミュージシャン、俳優としても活動されている星野源さんの初めてのエッセイ『そして生活はつづく』を読みました。本作は2009年に単行本が発刊され、2013年に単行本化されました。
本作よりも前に、3冊目のエッセイ『よみがえる変態』を読んだのがきっかけで星野さんのエッセイにハマってしまいました。

本作のテーマは「つまらない毎日の生活をおもしろがること」です。
同じことがくり返される毎日ってつまらないですよね。でも、このエッセイを読んで、星野さん日々の生活を見ていると、思わずクスッと笑えてしまいます。
サクッと読むことができるので、文筆家「星野源」を知らない人にはぜひ読んでみてほしい一冊です。
それでは、星野源『そして生活はつづく』を紹介します。
『そして生活はつづく』の内容
『そして生活はつづく』について、文藝春秋のサイト「文藝春秋BOOKS」より引用します。
俳優で音楽家、星野源はじめてのエッセイ集
携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。
私が持っていた星野源さんのイメージがガラッと変わるほど、いい意味でダメダメっぷりをさらけだしてくれています。
本作の単行本は2009年に出版されているので、星野さんがソロ歌手としてデビューする前のこと、バンド「SAKEROCK」で活動していたときのこと、新人俳優として苦労したときのエピソードも紹介されています。
『そして生活はつづく』の感想
今はミュージシャン、俳優業もこなすマルチな才能を発揮している星野源さん。今のようにブレイクする前に書かれたものだからか、けっこう赤裸々に自身のことや毒舌的なことも書かれています。
本作の中にはいくつものエピソードが収められていますが、そのなかで私の心に残ったインパクトのあるエピソードを紹介します。
九九の後半ができない。
(略)
七の段くらいから少し怪しくなり始め、九の段はもう賭けというか当てずっぽうというか、たしかニュアンス的にこの数字だったかな、という少ない確証のもと、答えを出しては間違える。
掛け算の九九ができないという書き出しから始まる「ばかはつづく」というエピソード。
九九の話から始まり、「漢字が書けない・読めない」や絵を描くのもとても下手など、自虐エピソードのオンパレード。
そのなかでも中学校時代の話が衝撃でした。
中学校時代の星野少年は、学校に行くのが好きではなかったらしいです。でも、「学校に行きたくない」と言ったところで、学校を休めるわけがありません。
そこで星野少年がとった行動が「学校に行きたくないからわざとうんこを漏らす」というとんでもない行動!
私だって子ども時代、トイレに間に合わないなどの失敗談はもちろんありますが、「わざと」漏らすなんてメンタルの強さはないですよ笑
このエッセイには星野源さんのダメダメエピソードが満載です。それにも関わらず、読み終えると星野源さんのことがさらに好きになってしまいます。
自分を偽ることなくダメな部分も含めた、素の自分をさらけ出すことができるって素晴らしいですね。ダメな自分を見せることって簡単なようで難しいです。
私も星野さんのように面白おかしくダメダメエピソードを表現してみたいものです。
おわりに
ブレイクする前の星野源さんの雰囲気を感じることができるエッセイ『そして生活はつづく』を紹介しました。
- くり返しの日々に少し退屈している
- 星野源さんの違う一面を見てみたい
このような皆さんに読んでもらいたいです。エッセイなので簡単に読み進めることができるはずです。
最後に本エッセイの「あとがき」を引用して締めたいと思います。
「なにげない日常の中に素晴らしいものがある」ドヤ顔でそんなこと言う人は苦手です。
「なにげない日常」の中には「なにげない日常」しかない。
素晴らしいものなんてない。
その中から素晴らしさ、おもしろさを見いだすには、努力と根性がいります。

「なにげない日常」を楽しみましょう!