沖縄先行上映で映画「風のマジム」を観てきました

先日、映画 「風のマジム」 を観てきました。沖縄の南大東島を舞台にした、原田マハさんの小説の映像化作品です。沖縄産ラム酒ができるまでの主人公の奮闘を描いた実話がもとになっています。
原田マハさんの作品はこれまでにもいくつか読んできましたが、この「風のマジム」は未読。存在は知っていて「沖縄が舞台ならいつか読もう」と思っていたのに、先に映画を観てしまいました。というのも、全国公開(9月12日)に先駆けて、沖縄では9月5日から先行上映されていたからです。
映画を見終わった後は心がほっこりするとともに元気をもらい、そしてラム酒が飲みたくなりました。

「風のマジム」あらすじ
伊藤沙莉さん演じる主人公・伊波まじむは、那覇で祖母と母と暮らしながら通信会社の契約社員として働く。特に夢も目標もなく過ごしていたまじむの人生は、ある日を境に大きく動き出します。
きっかけは2つ。社内ベンチャーコンクールの募集チラシを見つけたこと。そして、通い慣れたバーでラム酒に出会い、その魅力に心を奪われたこと。沖縄には豊富なサトウキビがあるのに、地元産のラム酒はない。そこから「純沖縄産のラム酒」をつくるというアイデアを企画。
不安や葛藤に揺れながらも、南大東島での出会いや仲間の支えを得て、次第に多くの人を巻き込みながら挑戦していくまじむ。契約社員や島の人々など、立場の違いを超えて共に未来を切り開こうとする姿が描かれます。
原作と映画、それぞれの魅力
普段は「映像化作品は原作を先に読みたい派」。映画を観ると役者さんの顔がどうしても頭に浮かび、小説の世界を自由に想像する楽しさが少し狭まってしまう気がします。今回も少し迷いましたが、「沖縄での先行上映で観たい」という気持ちが勝ち、映画を先に観ました。
映像化には「よかった!」と思うこともあれば、「しなくてもよかったのに…」と感じることもあります。今回も少し不安がありましたが、その心配は無用でした。胸を熱くさせられる場面があり、まさか泣かされるとは思いませんでした。
印象的だった演技
劇中で私が印象的だったのは、主人公の祖母・伊波カマル役の高畑淳子さんの演技。毎日丁寧に島豆腐をつくるその姿に思わず見入ってしまいました。ラム酒づくりの映画ではなく、「島豆腐の映画!?」と思うほどの美しい描写だと感じました。
また、ラム酒づくりのキーマンとなる醸造家・瀬那覇仁裕役の滝藤賢一さんの演技もすばらしかった。醸造の仕事が本当に好きなんだろうなというのが、表情や物言いからとても伝わります。
実在する沖縄産ラム酒「コルコル」
映画を観ながら頭に浮かんでいたのが、沖縄県の南大東島で実際につくられているラム酒 「COR COR(コルコル)」 です。
映画で登場するラム酒のように、サトウキビの搾り汁を発行させてつくるアグリコールラム。ラム酒の中でも希少性の高いアグリコールを製造しているのは、世界でも数か所で日本では南大東島のみらしいです。
興味のある方はこちらからチェックしてみてください。
まとめ
「風のマジム」は、沖縄の自然や人の想いがたっぷり詰まった作品でした。原作と映画の順番にこだわらず、どちらからでも楽しめる物語だと思います。映画で心を動かされ、原作でさらに深掘りしても楽しめそう。
映画を観終わったあとにはぜひ「コルコル」を手に取ってみてください。映画で感じた熱い想いを、グラスを片手にもう一度味わえるかもしれません。


