有川ひろ『イマジン?』感想。チームで動くときに心がけること
『イマジン?』は有川ひろさんの2020年の作品で、映像制作をテーマにした作品で、ペンネームを「有川浩」から「有川ひろ」に変更しての初めての小説となっています。
以前のペンネーム「有川浩」だと男性作家に間違われることもあるため、「有川ひろ」に変更したようです。
ひょんなことから映像制作の世界に足を踏み入れることになった良井良助が、周りの仲間やスタッフに支えられながら成長していく物語です。
それでは、有川ひろ『イマジン?』を紹介します。
イマジン(想像)して行動する
新米のため経験がなく雑用しかできない良助。現場でのトラブル対応の際に、自分なりにできることを考えてやりますが、自身の考えが浅かったことを反省します。
「自分が何をしたら相手が助かるだろうって必死で知恵絞って想像すんのが俺たちの仕事だ」と、社長からメッセージを受け取ったことで、良助は仕事で困難な状況になっても、「この状況で何ができるか」と考えて課題を乗り越えていきます。
仕事内容は雑用でも、撮影現場での良助の動きは、周りの人たちが仕事をしやすい環境をつくることにつながっています。
チームで作業をすすめるとき、それぞれが「自分は何ができるか、何をすべきか」と、”イマジン(想像)”することの重要さを気付かされます。
表舞台に立つ人だけでは仕事は成り立たない。裏で支えてくれる人たちもいて、お互いが協力していくことで一つの作品ができあがる。作品を楽しみながらドラマや映画の撮影現場の裏側を覗けた感じがして、個人的にとても楽しめました。
過去の有川作品ともコラボ
作品の中には、過去の有川作品もちらほら出てくるので、これまでその作品を読んできた方はさらに楽しめるのではないでしょうか。
- 空飛ぶ広報室
- 図書館戦争
- 植物図鑑
過去の作品を知らなくてももちろん楽しめます。
内容を知らなくてもタイトルは知っていたので、作品中の描写から「あー、あの作品のことだな」とすぐに分かりました。
1話目の『天翔ける広報室』はドラマの撮影現場の話になっています。
ドラマで映像化された有川さんの作品『空飛ぶ広報室』の撮影現場がイメージできるような内容でした。もちろんフィクションで実際の撮影現場とは違うと思いますが、読んでいて自分自身も撮影現場にいるようでワクワクさせられました。
本書は仕事に対する向き合い方を考えさせられる作品でありながら、映像の撮影現場の雰囲気を感じ楽しめる作品です。
これから社会人になる方や若い世代にとっても楽しめるでしょうし、ある程度社会経験のある方でも、仕事をやり始めたころのがむしゃらな気持ちを思いださせてくれるのではないでしょうか。
有川作品を読んだことがない人は、ぜひ本書を読み、他の関連作品も読んでいただけたらと思います。
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