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原田マハ『カフーを待ちわびて』感想。沖縄好きな人に読んでほしい一冊

ヒージャ
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原田マハさんの『カフーを待ちわびて』を読みました。

『カフーを待ちわびて』は、2006年に出版された原田マハさんの小説家デビュー作品で、第1回日本ラブストーリー大賞を受賞しています。映画化もされている作品です。

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タイトルにある「カフー」は、沖縄の方言で「果報(かふう)」のこと。「いい報せ」「幸せ」の意味があります。

本作品は、沖縄が好きな人にはおすすめできる小説です。それでは、原田マハさん『カフーを待ちわびて』を紹介します。

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あらすじ

友寄明青(ともよせあきお)は、亡き祖母から商店を受け継いで、与那喜島(よなきじま)で愛犬のカフーとのんびり暮らしています。

明青は能登半島へ旅行した際に、地元の神社の絵馬に「嫁に来ないか。幸せにします」と書きます。そうしたところ、絵馬を見た『幸』が、お嫁さんにしてくださいと突然明青のもとに訪ねてきます。

与那喜島に来た幸は周囲が驚くほどの美人で、なぜ明青のところへ来たのかは謎です。恋愛経験が少ない明青は、幸にその理由を尋ねることや幸の名前を呼ぶことすら出来ません。

のどかな自然の風景を感じることができる与那喜島には、大型リゾート施設を建設する計画が持ち上がり、島民は「賛成派」と「反対派」に分断されていきます。

リゾート計画に乗り気ではない明青はどうするのか、幸が与那喜島に来た理由とは。沖縄の小さな島を舞台にした作品です。

感想

原田マハさんの他作品「でーれーガールズ」「本日は、お日柄もよく」「旅屋おかえり」「モダン」を読んだあとの5作品目に、本作品を読みました。作品の出版順とバラバラに原田さんの作品を読んでいますが、読むたびに原田さんの世界観に引き込まれています。

沖縄の青い空と海に囲まれている小さな島、「与那喜島」の風景が文章からリアルに感じることが出来ます。

小さな島でのんびりと暮らしていた島民たちが、大型リゾート計画によって立ち退きや分断させられてしまうのは、現実世界でもありえる問題だと思い、読んでいて胸が痛くなりました。

リゾート計画を持ってきたのは、明青の小学校時代からの友人である照屋俊一(てるやしゅんいち)。俊一のリゾート計画は、与那喜島の観光がこれからも継続し続けられるように考えてのことですが、明青はすんなりと立ち退きに応じることが出来ません。

そのような中で『幸』との不思議な共同生活。

明青の家の隣にはユタ(占い師のようなもの)のおばあが住んでいますが、多くを語らないおばあと幸のやりとりも見ていて微笑ましく思えます。

沖縄の文化について全く知らない幸は、気になることはなんでもおばあに訪ねます。

おばあはめんどくさそうに幸を対応しているのですが、積極的にかかわってくる幸の姿勢に、多くを語らずとも幸に惹かれているのだろうなと感じ取れます。作品を読んでいても、幸のピュアで可愛らしいという雰囲気が出ています。

ラストはどういう形で締められるのだろうと読み進めていましたが、いい意味で期待を裏切られたラストでした。

物語の展開としては、大まかな予想がついていましたが、それを分かっていても実際に読むと心がジーンとさせられました。

ヒージャ
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デビュー作品とは思えないすばらしい作品でした。

与那喜島はどこなのか?

本作品はフィクションなので、与那喜島はもちろん実在しません。

しかし、巻末の取材協力の欄に「伊是名村」出身の方の名前が出てくることから、与那喜島のモデルは伊是名島なのかなとも推測できます。

ちなみに、伊是名村は沖縄本島北部の本部半島の北に位置しています。

伊是名島には、今帰仁村にある運天港からフェリーで約1時間で行くことができます。

私はまだ行ったことはありませんが、本作品を読んだきっかけでぜひ行ってみたくなりました。

2021.4.17追記

原田マハさんのエッセイ集『フーテンのマハ』にて、伊是名島でカフーという犬に出会ったエピソードが書かれています。与那喜島のモデルは、伊是名島で間違いないかと思います。

おわりに

『カフーを待ちわびて』で描かれる与那喜島は、沖縄の景色や空気感をとてもよく描写されているなと感じました。

沖縄の離島って同じ沖縄といえども、沖縄本島とはまた違う雰囲気があるんですよね。沖縄県民でも行ってみたくなるような「与那喜島」です。

本作品のジャンルは恋愛小説ですが、沖縄の文化や風習についても物語を楽しみながら学べる作品となっていました。沖縄に興味がある人はぜひ手にとってもらいたいです。

『カフーを待ちわびて』のスピンオフとして『花々』という作品も出版されています。気になる方はぜひそちらもご覧ください。

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沖縄県在住の読書好きなサラリーマンブロガー。
沖縄のお店やお出かけスポットなどの情報、趣味の読書に関することなどを雑記的に書いています。
「Yahoo!ニュース エキスパート」 地域クリエイターとしても活動しています。
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