映画『BLUE GIANT』感想。心が震わされる!映画館で観るべき作品

映画『BLUE GIANT』が、2023年2月17日に公開されました。
原作の漫画は、“漫画から音が聞こえてくる”と評判の作品で、私がこれまで読んできた漫画で上位に入る作品です。
そういうこともあり、実際に音を感じてしまう「映像化」に個人的には少し不安がありました。
しかし、そんな不安を払拭するほど素晴らしい映画で、「映像化してくれて感謝!」と思える作品でした。
小学生の息子と一緒に行ったので、息子の手前感情を出すのを少し抑えたのですがそれでも涙が出てしまいました。(心の中では大号泣)
それでは、映画『BLUE GIANT』について紹介します。
※今回の記事では、ストーリーのネタバレにならない範囲で感想を書いていますが、気になる方はご注意ください。
『BLUE GIANT』とは
「BLUE GIANT」は、「ビックコミック」(小学館)で2013年から連載しているジャズを題材にした漫画です。
仙台に住む高校生・宮本大が世界一のジャズプレイヤーになることを夢見て成長していくサクセスストーリーを描いています。
▲世界一のジャズプレーヤーになることを決意する大。周りにどう思われようと自分自身を信じる強い思いが大事ですね。
原作の漫画は「BLUE GIANT」「BLUE GIANT SUPREME」「BLUE GIANT EXPLORER」と、第3部まで物語が展開しています。(2023年3月現在)
今回の映画では、大が仙台からした後「BLUE GIANT」コミックス4巻から10巻までの内容になっています。原作を読んでいなくても映画は問題なく楽しめますので、原作未読の方も安心してください。
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『BLUE GIANT』を観た感想
原作では、仙台に住む宮本大がジャズに魅了されてテナーサックスを猛練習し、高校を卒業して東京へ上京するというストーリーになっているのですが、映画では大が上京してからの話になっています。
▲原作では、上京前に大が家族の前で演奏するシーンがあり、大の上京への強い思いが伝わります。
映画の中には実際にジャズを演奏するシーンがあるのですが、映画館の集中できる環境で聴いていると本物のライブを聴いているような感覚になります。
映画館によっては「Dolby Atmos」や「轟音」などと、音響にこだわった形で上映されているところもあるかと思います。前述したようにライブシーンが絶賛なので、音響のいい映画館で観た方が絶対良いです。

私の住む沖縄では、残念ながら通常上映しかなかったです…。
原作を映像化するにあたって、TVシリーズの案もあったようですが原作者の石塚真一さんが、音響のことなどを考え「映画」にこだわったようです。
「映画」にこだわったのは原作者の石塚真一。実際のジャズのライブのように大音量で、熱く激しいプレイを体感してもらえる場所は映画館しかない、との考えに基づいたものだ。原作の各エピソードが魅力的なことから、当初は「TVシリーズのほうが向いているのではないか?」と考えていた立川監督も、その理由を聞いて納得したという。
本作の音楽を担当したのは、世界的なジャズピアニストの上原ひろみさん。宮本大・沢辺雪祈・玉田俊二のトリオ“JASS”のオリジナル楽曲とエンドロール曲は書き下ろし作品となっています。
- FIRST NOTE(“JASS”楽曲)
- N.E.W(“JASS”楽曲)
- WE WILL(“JASS”楽曲)
- BLUE GIANT(エンドロール曲)
“JASS”の楽曲の中でも、個人的には「N.E.W」がお気に入りです。大のサックスソロがカッコ良すぎでした。
▲劇中のライブシーンが特典映像として公開されていますが、これから映画を観ようと思っている人は見ないでください!
中途半端に見てしまうよりも、映画館の大音量とスクリーンで体感するほうが絶対にいいです。
また、原作を読んでいる人なら分かると思いますが、「BLUE GIANT」ではコミックスの巻末に物語の関係者インタビューが入っています。(当時の宮本大について思い返す内容)
そのインタビューの演出が映画にも使われていたので、いいアクセントになっているなという印象でした。でも、インタビューの演出は原作を知らない人からすると、唐突すぎないかなと思いました。
大満足な作品でありますが一点だけ気になる点がありました。それが演奏シーンの人物CGです。劇中の音楽が良かっただけに、そのギャップに少し驚いてしまいました。
また、映画を観ていて「ん?こんなストーリーだったっけ?」と、感じる場面がありました。
映画鑑賞後、原作でそのシーンを確認してみると全然違っていましたね。原作でその場面を読んだのはだいぶ前だったのですっかり忘れていました。
ネットでサーチしてみると、その点については賛否両論な感じです。映画ならではの演出だったかもしれないですが、個人的には悪くなかったかなと思っています。
映画がエンディングを迎え、ジャズの余韻に浸るかのように流れるエンドロール曲「BLUE GIANT」。
映画あるあるだと思いますが、エンドロールを最後まで見ずに途中で帰る人って結構いますよね。
しかし、今回私が観た上映ではみなさん最後までしっかりエンドロール曲を聴いていました。それだけ、映画を観た人の心にジャズが強く残っていたのではないでしょうか。
『BLUE GIANT』キャスト
映画の音楽を担当し、沢辺雪祈のピアノも担当したのは上原ひろみさん。劇中の雪祈のピアノ演奏にも上原ひろみさんの雰囲気が出ていたように感じました。
まとめ
映画『BLUE GIANT』について感想を書いてみました。
原作を知っている人はもちろん、読んでいなくても楽しめる作品ですし、ジャズのことを全然知らない人にこそ観てもらって、ジャズに触れるきっかけとしてもらえたらと思います。
前に観たスラムダンクの映画も「映画館で見るべき映画」と思いましたが、映画『BLUE GIANT』も映画館で観てほしい作品です。というか、映画館で観ないともったいないです!
そして映画でファンになった人は、ぜひ原作の漫画もチェックしてください。きっと、心を熱くさせてくれるはずです。