星野源『よみがえる変態』下ネタのユーモアを交え闘病生活を綴ったエッセイ

2014年に発刊され、2019年に文庫化された星野源さんのエッセイ『よみがえる変態』を読みました。
文筆家としての「星野源」は知っていたものの、彼の書いた文章を読むのは初めてでした。
ミュージシャンとしても大活躍している星野源ですが、ユーモアセンスのある文章を書くことができる文筆家としての才能も持ち合わせた彼のことがとても好きになりました。
サクッと読むことができるので、文筆家「星野源」を知らない人にはぜひ読んでみてほしい一冊です。
それでは、星野源『よみがえる変態』を紹介します。
『よみがえる変態』の内容
『よみがえる変態』について、文藝春秋のサイト「文藝春秋BOOKS」より引用します。
とある人間が死の淵から帰ってきた。
――ただいま!!
エロも哲学も垣根なく綴った怒涛の3年間。
アルバム制作やライブ、ドラマ撮影に執筆。
やりたかったことは次々と仕事になったが、片時も休まる暇がない。
自分がなりたいと思う姿を追いかけるほどに消耗していく中、
突然の病に襲われた。
……まだ死ねない。
これから飛び上がるほど嬉しいことが起こるはずなんだ。
死の淵から蘇った3年間をエロも哲学も垣根なしに綴る。
紹介にあるように、真面目な話やエロなことが入り混じって書かれています。ポイント的に入るエロなネタが絶妙なバランスです。(エロばっかりもありますが)
本書の序盤は、仕事や生活のことなど多忙な日々のことが書かれていますが、後半は突然の病との闘病記にもなっています。
感想
序盤はソフトなエロがところどころに入る、いい意味での星野源の変態さにクスッと笑わされます。最初のタイトルも「おっぱい」。
自身の音楽のことや役者業のことをはじめとする日々のことを、真面目とエロが入り混ざって形が書かれています。真面目なことを書いているかと思っていたら、いきなり自慰ネタが入ってくるなど。
ミュージシャンや俳優としても人気のあるにもかかわらず、こんな赤裸々に自慰ネタを書いていいのだろうかと、読んでいるこちら側が気になってしまいます。この下ネタに嫌悪感を抱く人はもしかしたらいるのかもしれませんが、意外な一面を知ることができて私は余計に好きになりました。
私が星野源さんを知ったのは、闘病を乗り越えたあとの元気な状態になってからでした。
そのため「星野源って入院するほどの大きな病気を患ったことがあるみたいだね」と人から聞くほどで、どのような状況だったのか知りませんでした。
本書を読んで、その状況のことを知ることができました。病に襲われた時のことや手術の様子、闘病中のことが淡々と書かれています。大病を患いながら、ここまで思い出して書けるのがすごいです。
この闘病があったからこその、本書タイトル『よみがえる変態』なんですね。
星野さんは闘病中の状況があまりにも苦しかったため、病室の窓から飛び降りて死んでしまいたいとも考えたようです。
そんな中、テレビから流れてきた自分の曲「フィルム」を耳にします。
どんなことも 胸が裂けるほど苦しい
夜が来ても すべて憶えているだろ
声を上げて 飛び上がるほどに嬉しい
そんな日々が これから起こるはずだろ
この歌詞を聞いて「まだ死ねない」と、自分自身の歌に力をもらって、闘病生活を乗り越えたようです。そんな話を聞くと、『フィルム』という曲が新たな印象で聴くことができますね。
おわりに
星野源さんのエッセイ『よみがえる変態』で、星野源さんの知らなかった一面を見せてもらい、ますます彼のことが好きになりました。
ミュージシャンや俳優としての星野源しか知らない人には、ぜひ読んでみてもらいたい一冊です。さらに彼のことが好きになるはずです!
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