読書が好きな私の「#名刺代わりの小説10選」を紹介します

Twitterのハッシュタグに「#名刺がわりの小説10選」というものがあります。
自分と同じ作品を紹介している方を見つけると嬉しくなりますし、自分の知らない新たな作品に出会うきっかけにもなります。
Twitter上でツイートはしていましたが、せっかくなのでもう少し掘り下げて、選んだ理由なども含めて紹介します。
名刺代わりの小説10選
私の「名刺代わりの小説10選」を紹介します。私が出会った作品を時系列で挙げています。
レディ・ジョーカー / 高村薫
競馬場で知り合った物井清三を含む5人の男たちが「レディー・ジョーカー」を名乗り、大手ビール会社「日之出ビール」の社長・城山を誘拐する。
しかし、誘拐の数日後、犯人は城山をすぐに解放する。その後、日之出ビールに異物混入などの事件が起きる。犯人が考える真の人質は企業イメージだった。
「身代金は20億。人質は350万キロリットルのビール」
前代未聞の企業テロが実行された。
高村薫さんの犯罪推理小説で、「グリコ・森永事件」をモチーフに描かれた作品です。
高校生の頃、新聞広告で見かけて興味を持ち、はじめて自分で買った小説です。上下巻の分厚いハードカバーの本書を手にとってワクワクしてた記憶があります。
しかし当時の私は、本格的な小説を読んだことがなかったのと、「部落問題」なども扱った本作の内容に自分の知識がついていけませんでした。
当時は心に響かなく、「はじめて読んだ本格的な小説」というだけで記憶に残っていた作品ですが、10年以上経ってあらためて読んでみると、内容を理解することができ、その魅力に引き込まれました。
本作品は、映画化・ドラマ化もされています。そちらのほうも良作でした!
半島を出よ / 村上龍
北朝鮮のコマンド9人が小型船で福岡に侵入し、プロ野球開幕戦が行なわれていた福岡ドームを占拠。その数時間後に約500名の特殊部隊が博多に襲来し、福岡中心部を制圧。日本政府は打開策を出せないまま占領をみすみす許してしまう。
新聞広告で見かけて20代のころに読んだ作品です。
福岡が北朝鮮のコマンドに占領されるという驚きの内容になっています。もちろんフィクションであるもののリアリティのある描写に少し恐怖心を持ちながら読んでいました。
当時、映画化されるような話もあがりましたが、結局映画化はされていません。どういった映画になるのか楽しみではあったんですけどね。
テンペスト / 池上永一
19世紀の琉球王朝。嵐の夜に生まれた真鶴は、性を偽って男として生まれ変わることを決心する。孫寧温と名乗り、13歳の若さで難関の科試を突破。寧温は王府の役人として次々と王府の財政改革に着手する。
物語の舞台が沖縄(琉球王国)ということで興味を持って読んだ作品です。
女性でありながら性を偽って、王府の役人となった寧温。次々と起こる事件や陰謀、琉球王国へのペリーの黒船来襲、日本の明治維新、そして琉球王朝崩壊。めまぐるしいストーリー展開で一気に読み終えることができました。
もちろんフィクションではありますが、琉球王国の雰囲気を感じることができます。
オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎
コンビニ強盗に失敗後、逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、殺人を許された男、「未来が見える」しゃべるカカシ。
しかし、未来を知ることができるはずのカカシ・優午(ゆうご)が殺されてしまう。バラバラにされたうえに、頭を持ち去られる。優午はなぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
伊坂幸太郎さんのデビュー作『オーデュボンの祈り』は、少し変わったルールがある不思議な島・萩島での出来事を描いています。
個性的なキャラクターが多く登場する作品でもあり、伊坂幸太郎さんの作品の特徴でもある、伏線回収の魅力の虜になった作品です。
もともと本が好きな私ですが、社会人になってからはしばらく読書していませんでした。そんな私の読書熱に火をつけたきっかけとなった作品です。
阪急電車 / 有川ひろ(有川浩)
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるちょっと気になるあの人だった……。
片道約15分のローカル線(今津線)で起きる小さな奇跡。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。人数分のドラマを乗せた電車はどこまでも続かない線路を走っていく。
「映画『阪急電車』が面白いよ」と、知人から聞き映画を先に見て、そのあとに原作小説を読んだのがきっかけです。
『阪急電車』は主人公が章ごとに変わる短編集ではありますが、それぞれの章と関連性がある構成になっています。
この作品で有川ひろさんを知りましたが、文体が軽くとても読みやすく、有川さんにハマるきっかけとなりました。読書初心者にもオススメできる作品です。
ノルウェイの森 / 村上春樹
僕(ワタナベ)の乗った飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。ワタナベはもうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出す。
ワタナベは高校時代に親友(キズキ)を自殺で亡くし、数年後にキズキのガールフレンドだった直子と再開する。
村上春樹の『ノルウェイの森』は、本を読まなくてもその名前を知っている人は多いのではないのでしょうか。
2010年に映画化されたことで話題になり、それをきっかけで原作を読みました。
はじめて読んだ村上作品の独特の文体に衝撃を受けたことと、本作の性的描写の多さにちょっと驚いたのを覚えています。とにかくインパクト大の作品でした。
分身 / 東野圭吾
東京に住む大学生・小林双葉は、自分の母親を不可解な事故死で失う。母の事故について調べていくうちに、自分と瓜二つな札幌の大学生・氏家鞠子と出会う。
氏家鞠子も中学時代に火事で母親を失っていた。鞠子は自分と母親と顔が似ていないと感じ、自分の出生に疑問を持つ。
東野圭吾さんの作品はいくつか読みましたが、はじめて読んだ東野圭吾さんの作品『分身』が心に残っています。
全く違う土地で生まれ育っている「小林双葉」と「氏家鞠子」は双子のように瓜二つな容姿。双葉と鞠子の関係性は?
不可解な死だった母親の死の真相などの様々な謎が解明していき、ラストはスッキリできました。
「東野圭吾」という著者の存在はもちろん知っていて、図書館でたまたま手にとったのが『分身』との出会いです。
本作品は、長澤まさみさん主演でドラマ化されています。
舟を編む / 三浦しをん
玄武書房に勤め、その人生を辞書に捧げてきた荒木公平。定年間近の彼は、辞書編集部を引き継ぐことのできる人材を探す中、営業部の馬締光也と出会う。
アパートを本で埋め尽くすほど言葉に興味を持つ馬締は、玄武書房で新しい辞書「大渡海」の編集に携わる。
日本語の美しさを感じるとともに、国語辞典をつくる作業の裏側を知ることができる作品です。
「『右』という言葉について説明しろ」と言われたら、あなたならどのように説明しますか?何気なく使っている言葉にあらためて向き合うと、国語辞典の魅力に気付かされます。
小学生の頃、国語辞典をながめるのが大好きだった私には、どハマリできる作品でした。
風が強く吹いている / 三浦しをん
みずからが引き起こした暴力事件により、走ることを諦めた天才ランナーの蔵原走(カケル)。そんなカケルの走りに魅了された清瀬灰二(ハイジ)は、カケルに「走るの好きか」と問う。
ハイジには壮大な夢がある。それは同じ学生寮で生活する8人のメンバーと「箱根駅伝」に出場すること。ハイジと陸上素人の8人、そこにカケルを加えた10人で箱根駅伝出場を目指す。
前述の『舟を編む』で、三浦しをんさんを知ったあとに読んだ作品です。
走りの天才とド素人メンバー10人が箱根駅伝に挑むストーリーを描いた青春小説です。
私がマラソンにハマっていたピークの時期に出会った作品なので、感情移入して思わず泣いてしまいました。レベル関係なく、マラソンや駅伝をやったことがある人は読んでほしい作品です。
スロウハイツの神様 / 辻村深月
脚本家の赤羽環が家主のアパート「スロウハイツ」では、様々な夢を持った若者が楽しく共同生活を送っていた。しかし、空き室だった201号室に新たな住人がやってきたことで、スロウハイツでの人間関係に変化があらわれる。
3階建てのアパート「スロウハイツ」に住む若者を中心に描かれた青春ミステリー小説となっています。
上下巻に分かれていますが、上巻はあくまでも序盤、下巻でストーリーが大きく展開していきます。
伊坂幸太郎さんの作品のような魅力的なキャラクターが多く登場するのと、伏線回収がある展開に引き込まれました。
「辻村深月」さんの作品を知らずに、雑誌で取り上げられていたのを見て知った作品です。
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おわりに
あらためてリストアップした作品をふり返ると、三浦しをんさんが2作品入っていますが、その他はすべて違う著者となっています。
リストアップしたあとに気づきましたが、その著者の作品の中ではじめて読んだ作品を選んでいました。作品そのものの魅力はもちろんですが、作品のファーストインプレッションが大きく影響しているのでしょう。
興味がひかれる作品がありましたら、ぜひ手にとって読んでいただけたらと思います。また、共感できるポイントなどがあればTwitterなどで教えていただけたら嬉しいです。